9月3日

9時58分、父が亡くなった。
長い闘病生活の末だったのだが、家族が沈むことなく過ごせているのは、
別れのための助走路を父が長くとってくれたおかげに他ならない。

遺影のために父のアルバムを見た。
父は電電公社の建築士であった。各地の電話局のショットが何枚もある。
「あそこはお父さんが建てたんだぞ」
晩酌時よく自慢していたのが思い出される。
退職後は家族や兄妹と旅をし、呑み食べるのが何より好きだったようだ。
アルバムの要所に場所・日時、心情などが克明に記録してあり、
父の几帳面さが垣間見えるが、本人もその思い出を大切にしていたのだろう。

しかし、発病後はそうした記録も写真も皆無になってゆく。
父はアルツハイマー病だったのだ。
父の記憶、人格まで奪っていったアルツハイマーという病を、私は心底憎む。

「お父様の笑顔にほんと癒してもらいました」何人かの介護士さんに言われた。
私は女性にそんな風に言われた事がない。最期までかなわない父だった。



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by sizima8910 | 2012-09-05 04:03 | 日記的な


戸田文浩 うつわ作ってます 陶芸・写真・音楽


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